派遣の契約期間満了は会社都合扱い|失業保険を最短で受給するための備忘録
このたび、派遣の職場を退職し失業保険の受給をすることになりました。派遣社員の退職は様々なケースがあり、調べてもサイトによって契約期間満了による退職が自己都合と書かれていたり、はたまた会社都合と書かれていたり迷うことも多いかと思います。私と同じようなケースの人が参考になればと思い記事にまとめてみました。
失業保険の申請、無職期間に助かる制度である国民年金の免除申請や国民健康保険の減免申請など、退職してからの流れを書いていこうと思います。
契約期間満了の場合の離職理由
結論から言うと有期雇用で次の仕事(長期の就業)を希望しているにもかかわらず契約終了日までに次の仕事を紹介されないと【会社都合】扱いになります。
社会保険制度のご案内(テンプスタッフ)を参考に私のケースについてまとめてみました。派遣会社や担当者によって認識のずれなどがあるかもしれませんので念のためご自身の所属している派遣会社に確認してください。
私の状況について
- 有期雇用の派遣社員
- 社会保険+雇用保険に加入
- 勤続期間:1年5ヶ月
派遣会社はパーソルテンプスタッフでした。3ヶ月ごとの契約更新でしたが、体力的に同じ仕事を続けるのが不安だったため、更新せず契約終了することに。契約満了後は引き続き同じ派遣会社で働くつもりで次の仕事を探してもらっていました。しかしながら縁がなく契約終了日までに仕事が決まりませんでした。
契約終了日までに次の仕事を紹介されないと【会社都合】になる
テンプスタッフの場合、長期の派遣就業(1週間の所定労働時間が20時間以上かつ31日以上の契約)希望していて契約終了日までに次の仕事が決まらなかった場合は離職理由が会社都合となります。
私の場合は離職票の離職区分は2C、具体的事情の欄には派遣期間終了後、「次の就業先を紹介できない為」と記載がありました。
調べてみると厳密には会社都合ではなく特定理由離職者の範囲のⅠに該当者は自己都合だけど会社都合として扱うという令和7年3月31日までの暫定措置のようです。サイトによって自己都合と会社都合とか書き方が違う原因はこのあたりかもしれません。
倒産や解雇などの本当に会社都合の人は特定受給資格者と呼びます。ややこしいですよね。
特定理由離職者の範囲
- 期間の定めのある労働契約の期間が満了し、かつ、当該労働契約の更新がないことにより離職した者(その者が当該更新を希望したにもかかわらず、当該更新についての合意が成立するに至らなかった場合に限る。)(上記「特定受給資格者の範囲」の2.の(8)又は(9)に該当する場合を除く。)(※補足1)
※補足1 労働契約において、契約更新条項が「契約の更新をする場合がある」とされている場合など、契約の更新について明示はあるが契約更新の確約まではない場合がこの基準に該当します。
特定理由離職者について詳しく知りたい方は下記のリンクを参考にしてください。
厚生労働省HP→特定受給資格者及び特定理由離職者の範囲の概要
PDF→特定受給資格者及び特定理由離職者の範囲と判断基準
そして以下の場合は自己都合の扱いとなります。
- 無期雇用(期間の定めがない雇用契約)
- 条件に合う仕事を自分の都合で断る
- 長期就業の仕事を希望しない
- 転職・出産・病気療養・留学・扶養に入る・転居
- 自己都合で契約の終了を短縮した
離職理由は給付日数や国民健康保険の減免にかかわってくるので不利にならないようにしたいですね。
契約終了前後の手続き
契約終了日までに次の仕事が決まらなかった場合、契約終了日で雇用保険・健康保険・厚生年金保険は喪失します。
派遣の俗に言う「1ヶ月の待機期間」というのも法改正で現在はありません(厚生労働省の資料)。テンプスタッフの場合は退職日が近づくとメールで離職票交付の確認フォームが届きます。私は退職の5日前に離職票の交付希望の回答をしましたが問題なく会社都合扱いとなりました。
離職票の交付申請をする・退職証明書を発行してもらう
契約終了日前後で雇用保険喪失手続きと離職票交付の希望申請をします。
テンプスタッフでは離職票の事前確認ができるのですが、郵送でやり取りする為時間がかかってしまいます。私は事前確認なしでPDFデータで発行してもらいましたがそれでも発行までに20日ほどかかりました。
このタイミングで退職証明書も発行してもらいましょう。離職票の発行が遅くなった場合に失業保険の仮申請に必要となります。仮申請については後述します。
離職票ですが、以前パートで働いていたところは発行までに何度も催促し2ヶ月以上かかりました・・・退職証明書はその時の教訓です。
健康保険証の返却・健康保険・年金の切り替え
健康保険証を返却し、資格喪失証明書が届いたら市役所等の窓口で健康保険・年金の切り替え手続きをします。健康保険証はその場で発行してもらえました。市によっては電子申請や郵送でもできます。
ハローワークでの手続き
退職日から12日後に失業保険の仮申請(仮手続き)をする
離職票が手元になくても退職日翌日から失業保険の仮申請をすることができます。一般的には退職日翌日から数えて12日目に手続きができるところが多いようです。電話で問い合わせし、月末の退職で翌月の12日に申請にいきました。仮申請した日が受給資格決定日となり、この日が7日間の待機期間(+給付制限)の起算日になります。認定日に離職票を提出すれば給付を受けることができます。
- マイナンバーカード
- 通帳
- 退職証明書(退職日が確認できるもの)
を持ってハローワークにいけば手続きができます。写真についてはマイナンバーを毎回提示することで省略できるとのことでした。
仮申請後約2週間後に初回講習・雇用保険説明会に参加する
失業保険の申請の際に「初回講習・雇用保険説明会」に参加するように指示されます。私の場合は2週間後に指定されていました。内容はハローワークの利用方法や雇用保険受給のビデオ視聴などで1時間ちょっとです。
参加すると参加証明書をもらえるので認定日に失業認定申告書と一緒に提出することで求職活動の1回として認められます。
仮申請後約3週間後に失業認定日・雇用保険受給資格者証を受け取る
仮申請から3週間後の翌日が最初の失業認定日でした。申請した日と同じ曜日が認定日になることが多いようですが、前後する場合もあるようです。認定日は原則4週間に1回同じ曜日が指定されることになります。認定日は決定してしまうと日にちの変更はできないので、どうしてもという場合は申請の時に相談してみるのがいいかもしれません。
記入した失業認定申告書を箱に提出して待っていると窓口に呼ばれ、離職票などの必要書類を提出します。通常は仮の雇用保険受給資格者証を受け取り、正式なものは後日郵送するとのことでしたが、当日に国民健康保険の減免申請を済ませたかったので少し待って正式なものを作ってもらいました。
雇用保険受給資格者証には15日分の支給額が印字されていました。仮申請することで最短で受給することができました。退職から約1ヶ月後に半月分支給されればかなり安心ではないでしょうか。
職業相談をして求職活動1回をクリアしてハローワークを後にしました。
国民年金・国民健康保険の免除・軽減の申請
国民健康保険税の軽減の申請
雇用保険受給資格者証の離職理由コードが以下の場合に国民健康保険税の負担を軽減(前年の給与所得を100分の30とみなして計算)してもらえます。申請には雇用保険受給資格者証が必要になるので該当する場合は受け取ったら手続きに行きましょう。
- 特定受給資格者(理由コード=11,12,21,22,31,32)
- 特定理由離職者(理由コード=23,33,34)
国民年金免除の申請
国民年金には失業等による特例免除があります。申請することにより、保険料の納付が免除や猶予となる場合があります。収入が安定してから追納すれば、将来の年金も減りません。
手続きには雇用保険受給資格者証、雇用保険受給資格通知または雇用保険被保険者離職票のコピーなどが必要です。マイナポータルからも申請できます!→電子申請(マイナポータル)
失業時のお役立ちリンク
まとめ
以上、私が派遣を契約満了で退職してから失業保険をもらうまでの手続きについてまとめてみました。
派遣は自分から希望しての契約期間満了でも、同じ派遣会社で長期の継続の意思があれば会社都合扱いとなり、2ヶ月(3ヶ月)の給付制限なしで給付日数も有利に働きます。また契約終了後は離職票が手元に届く前から仮申請することで失業保険を早くもらうことができます。収入が安定するまでは国民年金や国民健康保険の軽減などを利用する方法もあります。
雇用形態や退職理由など個々の事情で給付の要件がかなり変わってくるところなので退職を考えている方は公式HPで調べたり、ハローワークに問い合わせてみることをお勧めします。
また派遣会社によっては離職票の交付で揉めることもあるかと思います。何を言っても通じない会社はあります(経験済み)!
社会保険制度がしっかりした派遣会社を選ぶことも大切です。
私が登録しているテンプスタッフは何度かお世話になっていますが、大手で社会保険制度もしっかりしていて退職のやりとりもスムーズでしたのでおすすめの派遣会社です。
この記事を参考に少しでも有利に転職活動を進めていただければ幸いです。